ワイヤロープの点検と廃棄基準A

点検箇所 点検項目 点検方法 廃棄基準 廃棄の実例
全体 きず 全長、全周にわたりきずの有無を点検する。 有害な欠陥が認められるもの。
その他 心鋼のはみ出し、曲がり、素線の飛び出し、
テンパーカラー等の有無を点検する。
心鋼のはみ出し、曲がり、テンパーカラー
のあるもの
断線 全長、全周にわたりきずの有無を点検する。
ある場合は、山切れ谷切れの状況を入念に
調査し、断線本数を数える。

C:クラウン断線(ロープ外接円と接する部分
 「山断線」の断線)
N:ニップ断線(ストランド相互が接する部分
 「他に断線」の断線)
「クラウン断線(山切れ)の場合」
ロープ径(d)の6倍(約1ピッチ)の範囲
内の断線を数え、使用されているワイヤ
ロープの構成を確認して、下表の断線
数以上あるもの。
ワイヤロープの構成 可視断線数
点検範囲
(6d)
6X24 9
6X37 10
IWRC6XFi(25) 5
IWRC6XFi(29) 6
IWRC6X{IWRC6XS(19)} 8
7X{IWRC6XWS(36)} 12
「ニップ断線(谷切れ)の場合」
1本でもあるもの。

構成 6X37 O/O 24mm
実測径 24.0mm 破断荷重 260kN
断線数 15/1ピッチ 残存強度率 85.1%

構成 6X37 O/O 28mm
実測径 28.4mm 破断荷重 356kN
断線数 ニップ断線 残存強度率 85.6%
加工部分
アイスプライス
アイ圧縮止
形くずれ アイ部分にストランドの緩み等の形くずれ
や偏平、ロープのずれ等がないかを点検
する。
●アイ頂点部で著しく心鋼の飛び出したもの
●アイ頂点部で著しくつぶれを生じたもの
●アイ部分で、ストランドの緩みがあるもの

構成 6X24 O/O 14mm
短径・長径 10.5X21.9 破断強度 84kN
残存強度率 86.9%
断線 ロープを曲げたりしてアイ部分やスリーブ
付根部分の断線の有無を点検する。
加工していない部分の可視断線数に準じる。
構成 6X37 O/O 22mm
構成 13.2X32.3 破断強度 198kN
残存強度率 77.2%
抜け出し アイスプライス:ストランドの抜け出しの兆
候がないか点検する。
アイ圧縮止:片端に凹みが生じたり、抜
け出しの有無を点検する。抜け出しの点検
は目視、マーキング等による。
●差し終り部でストランドの抜け出しがある
 もの。
●片端に凹み、抜け出しのあるもの。
スリーブ
の変形
スリーブに変形、つぶれ、亀裂および割れ
等が発生していないか点検する。
スリーブの変形、つぶれ、亀裂、割れ等が
あるもの。
スリーブ
の磨耗
スリーブの磨耗状況を調査する。 スリーブが磨耗して、元の径の95%以下に
なったもの。
その他 腐食、キズ等がないか点検する。 著しい腐食、キズが認められるもの。
付属金属 変形、キズ、亀裂、磨耗および腐食等が
ないか、あればその程度を点検する。
●曲がり、ねじれ、ゆがみ、当たりキズ、
切り欠きキズ、亀裂が認められるもの。
●磨耗量が元の寸法の10%を超えるもの。
●全体に腐食、または局部的に著しい腐食
があるもの。



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