●システム点検基準
玉掛用具は、安全に使用できる状態にしておくために点検を怠ってはいけません。
玉掛用具の使用限界は、その使用頻度、使用方法、吊り荷の1回当たりの運搬重量、
吊り荷の形状などによって変化し、使用するほどに損傷を受け、強度は低下していきます。
したがって、日常の点検はもちろんのこと、作業の実体に応じて定期的に点検し、
不良なものは取替えまたは補修を行って災害の発生防止に努めなければなりません。
クレーン等安全規則では、「クレーン、移動式クレーンまたはデリックの玉掛作業を行うときは、
その日の作業を開始する前に使用する吊り具等の異常の有無について点検を行わなければならない。
なお、点検により異常を認めたときは、直ちに補修しなければならない。」と定められています。
点検の結果、使用を禁止したものは、再度使用されないように切断するなどして廃棄処分してください。
玉掛用具の点検基準を設け、特に定期的に点検を行った場合、点検結果の適合標識などを定め、
色付ビニールテープを巻いたり、ステッカーを貼り付けておく、また記録カードによって履歴を管理することも必要です。
●チェーン廃棄基準 | 点検項目 | 判定基準 |
伸び | 5リンクにおいて、Lが元の寸法の5%以上伸びているものは使用しないこと | |
磨耗 | 線径が元の寸法の10%以上磨耗しているものは使用しないこと | |
ねじれ | あきらかにねじれているものは使用しないこと | |
腐食 | 腐食のはなはだしいものは使用しないこと | |
亀裂 | 亀裂があるものは使用しないこと | |
●マスターリンク廃棄基準 | 点検項目 | 判定基準 |
伸び | Lが元の寸法の5%以上伸びているものは使用しないこと | |
ピン支持穴が楕円形に変形しているものは使用しないこと | ||
変形 | ピンに曲がりのある物は使用しないこと | |
伸び、ねじれ等あきらかに変形しているものは使用しないこと | ||
磨耗 | 線径が元の寸法の5%以上磨耗しているものは使用しないこと | |
ねじれ | あきらかにねじれているものは使用しないこと | |
腐食 | 腐食のはなはだしいものは使用しないこと | |
亀裂 | 亀裂があるものは使用しないこと | |
●ロッキングフック ロックフック グラブフック廃棄基準 |
点検項目 | 判定基準 |
変形 | ピン支持穴が楕円形に変形しているものは使用しないこと | |
ピンに曲がりのあるものは使用しないこと | ||
開口部 a の伸びまたは縮みが元の寸法の5%以上のものは使用しないこと | ||
フック厚さ b の磨耗が元の寸法の5%以上のものは使用しないこと | ||
フォーク部 E の開きが元の寸法の5%以上のものは使用しないこと(ロッキングフックのみ) | ||
フックの先端部とラッチとが極端にずれているものは使用しないこと(ロッキングフックのみ) | ||
伸び、ねじれ等あきらかに変形しているものは使用しないこと | ||
腐食 | 腐食のはなはだしいものは使用しないこと | |
亀裂 | 亀裂があるものは使用しないこと | |
動作 | トリガー部のスプリング及びピンが壊れているものは使用しないこと(ロッキングフックのみ) | |
●スリングフック廃棄基準 | 点検項目 | 判定基準 |
変形 | ピン支持穴が楕円形に変形しているものは使用しないこと | |
ピンに曲がりのあるものは使用しないこと | ||
開口部 a の伸びまたは縮みが元の寸法の5%以上のものは使用しないこと | ||
フック厚さ b の磨耗が元の寸法の5%以上のものは使用しないこと | ||
伸び、ねじれ等あきらかに変形しているものは使用しないこと | ||
腐食 | 腐食のはなはだしいものは使用しないこと | |
亀裂 | 亀裂があるものは使用しないこと | |
動作 | ラッチ部のスプリング及びピンが壊れているものはしようしないこと |
※個々の詳細については、マーテック(株)発行の点検要領及び関連JIS規格をご参照ください。
※開発、改良により仕様、概観は予告なく変更する場合があります。
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